ローコスト住宅に真四角のキューブ型が多い理由とキューブ型のジレンマ

ローコスト住宅にキューブ型の住宅が多い理由は、「全体的にコストを安く抑えられるから」です。

なぜコストが抑えられるのか、視覚的に分かりやすいように、簡単に資料を作ってみました。

下の3つの図形は、いずれも面積36㎡の建物の平面図と思って下さい。

面白いことに、同じ面積でも、外周の距離が異なることがご理解頂けると思います。

この事実が、ズバリ、ローコスト住宅に真四角のキューブ型の住宅が多い理由です。

外壁だけを考えても、正方形のキューブ型(しかも総2階)で作った方が部材も少なくて済み、結果的にコストを安くできるのです。

非常に合理的な形状であると言えます。

上の画像では、極端な例は出していませんが、横長になればなるほど、外周の距離が増えることは、下記の計算式をご覧頂ければお分かり頂けると思います。

6×6=36㎡ 外周24m

4×9=36㎡ 外周26m

3×12=36㎡ 外周30m

2×18=36㎡ 外周40m

1×36=36㎡ 外周74m

少し極端な例ですが、ここまで違いがあるのです。

つまり、安く建てるには、「平面図を正方形に近づける」「なるべく総2階で建てる」「形状のデコボコを少なくする」ことがポイントになります。

 

私たちも、できる限りコストを安く抑える努力をしておりますので、上記のようなことを頭に入れながら間取図を描くのですが、ここでジレンマを感じることが少なくありません。

「正方形」「総2階」「デコボコなし」で建物をデザインすると、どうしてもダサくなりがちなのです。

これは私たちの力量不足もあると思いますが、どうしても「おもちゃの家」のようにしか仕上がらない…。

結果的に、筆者は完全なキューブ型の住宅を企画したことはありません。

コストが大幅に高くならないように気を付けながら、少し横長にしてファサード(建物の顔)を広く見せたり、両側を少しだけ出っ張らせて、ツインタワー調にしてみたり…といった感じで、建物のファサードが単調になりすぎないように気を付けて作っています。

建物のスペックを比較する際に、〇〇坪〇LDKなどの数字でしか比較をしないことが多いと思いますが、同じ面積の建売物件を比較する際などの参考にされてはいかがでしょうか。